4:8 カインが弟アベルに言葉をかけ、二人が野原に着いたとき、カインは弟アベルを襲って殺した。
4:9 主はカインに言われた。「お前の弟アベルは、どこにいるのか。」カインは答えた。「知りません。わたしは弟の番人でしょうか。」
カインによって、人類最初の殺人が起こってしまいました。子供のころこの個所を読んだとき、殺人を犯すなんてカインはひどい奴だ、自分はそんなことはしていないからまだましだ、と思いました。
けれども、改めて考えてみると、自分の中にもカインのような要素があることに気が付きます。実際に人を殺すということはしていなくても、人をうらやんだり、嫉妬したり、あんな人はいないほうがましだと思ったり、人を見下したりするような心が自分のうちにもあることに気づかされるのです。
有島武郎が「カインの末裔」という書物において、これは自分自身の事柄であると、無知で野性的な主人公仁右衛門が、「生きねばならぬ激しい衝動」に動かされて、農場社会からは疎外され、北海道の過酷な自然とも闘って敗れる「苦しい生活の姿」を描きました。
聖書が語る現実は、決して私たちとかけ離れた出来事ではないのです。
祈り
天の父なる神様、カインは、弟のアベルを殺害するという大きな罪を犯しましたが、それはカインだけのことではなく、今の私たちもあなたの前に思いと行いにおいて数々の罪を犯し続けていることを思います。しかし、そのようなものを愛してくださるあなたと共に歩むことが出来ますように。
イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。