32:7 使いの者はヤコブのところに帰って来て、「兄上のエサウさまのところへ行って参りました。兄上様の方でも、あなたを迎えるため、四百人のお供を連れてこちらへおいでになる途中でございます」と報告した。

32:8 ヤコブは非常に恐れ、思い悩んだ末、連れている人々を、羊、牛、らくだなどと共に二組に分けた。

32:9 エサウがやって来て、一方の組に攻撃を仕掛けても、残りの組は助かると思ったのである。

32:10 ヤコブは祈った。「わたしの父アブラハムの神、わたしの父イサクの神、主よ、あなたはわたしにこう言われました。『あなたは生まれ故郷に帰りなさい。わたしはあなたに幸いを与える』と。

32:11 わたしは、あなたが僕に示してくださったすべての慈しみとまことを受けるに足りない者です。かつてわたしは、一本の杖を頼りにこのヨルダン川を渡りましたが、今は二組の陣営を持つまでになりました。

32:12 どうか、兄エサウの手から救ってください。わたしは兄が恐ろしいのです。兄は攻めて来て、わたしをはじめ母も子供も殺すかもしれません。

 

ヤコブは、いよいよカナンの地に帰っていこうとするのですが、帰る途中で使いのものが来て言いました。「兄上のエサウさまのところへ行って参りました。兄上様の方でも、あなたを迎えるため、四百人のお供を連れてこちらへおいでになる途中でございます」

 

これを聞いてヤコブは恐れました。400人もの人を連れてやってくるということにエサウの殺意を感じたのだと思います。家に帰らなければならないことは分かっていても帰ることに戸惑いや不安、恐れを抱いたのです。

 

私たちも、〇〇さんには会いたくないと思うような人がいるかもしれません。しかも相手が「殺してやろう」と思っているような人だったらどうでしょうか。どこか別の町にでも逃げていきたいと思うかもしれません。しかし、ヤコブはここでも主の言葉に従うことを選び取っています。別の町ではなく、神が約束してくださったカナンの地に帰ることを選び取っているのです。しかし、彼の心には大いなる不安があったのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、あなたは未来を開いてくださるお方です。ヤコブは、兄のエサウに出会うことに大きな不安と恐れを抱きましたが、あなたはヤコブに帰宅を命じるとともに、彼が守られ、支えられてエサウと出会い、カナンの地での生活が滞りなくできるようにその道を拓いてくださいました。あなたが私たちにもその御手をもって守り支えていてくださることを覚えて、委ねて生きることが出来ますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。