14:3 実はヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアのことでヨハネを捕らえて縛り、牢に入れていた。
14:4 ヨハネが、「あの女と結婚することは律法で許されていない」とヘロデに言ったからである。
14:5 ヘロデはヨハネを殺そうと思っていたが、民衆を恐れた。人々がヨハネを預言者と思っていたからである。
14:6 ところが、ヘロデの誕生日にヘロディアの娘が、皆の前で踊りをおどり、ヘロデを喜ばせた。
14:7 それで彼は娘に、「願うものは何でもやろう」と誓って約束した。
14:8 すると、娘は母親に唆されて、「洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、この場でください」と言った。
14:9 王は心を痛めたが、誓ったことではあるし、また客の手前、それを与えるように命じ、
14:10 人を遣わして、牢の中でヨハネの首をはねさせた。
14:11 その首は盆に載せて運ばれ、少女に渡り、少女はそれを母親に持って行った。
14:12 それから、ヨハネの弟子たちが来て、遺体を引き取って葬り、イエスのところに行って報告した。
領主ヘロデは自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアと恋に落ちて、自分の妻を離縁して、ヘロディアと結婚しました。これは神の掟である律法が禁じていることです。レビ記20章21節には、「兄弟の妻をめとる者は、汚らわしいことをし、兄弟を辱めたのであり、男も女も子に恵まれることはない」と記されています。
これについて、バプテスマのヨハネは「あの女を妻とすることは許されていない」とヘロデを叱責したのです。ヘロデにとっては、このような苦言を言うヨハネが邪魔だったのでしょう。ヘロデはヨハネを捕らえ、牢の中に入れたのです。
牢屋に入れていずれは殺害しようと思っていましたが、民衆を恐れて、それができないでいたのです。人々はヨハネを預言者だと思っていたので、人々が預言者と思っているヨハネを殺したら、暴動が起こるかも知れない。暴動が起こるようなことになればローマ帝国から王の地位をはく奪されるかもしれない。そのように人々を恐れて、ヘロデはヨハネを殺そうと思いながら、殺せずにいたのです。
ところが、ヘロデの誕生日を祝う宴において、ヘロディアの娘が、皆の前で踊りをおどり、ヘロデを喜ばせました。ヘロデは娘に、「願うものは何でもやろう」と誓って約束します。すると、娘は母親のヘロディアに唆されて、「洗礼者ヨハネの首を盆に乗せて、この場でください」と言ったのです。
ヘロディアは、洗礼者ヨハネが自分たちの結婚が律法違反の罪であると非難したことを根に持っていたようです。へロディアもヨハネを殺害したいと思ってその機会をうかがっていたのです。それで、ここぞとばかり、娘を唆して、ヨハネを殺してしまったのです。
祈り
天の父なる神様、権力者によってヨハネが殺害されたように、今の時代も闇がこの世界を覆っている世界であることを思わされますが、私たちは光であるあなたの御手に委ねつつ、あなたの恵みの内を歩み続けることが出来ますように。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。