時をよく用いなさい。今は悪い時代なのです。だから、無分別な者とならず、主の御心が何であるかを悟りなさい。エペソ人への手紙5:16-17
機会を十分に生かして用いなさい。悪い時代だからです。ですから、愚かにならないで、主のみこころは何であるかを、よく悟りなさい。

ここには、「今は悪い時代」であると言われています。この手紙が書かれたのはパウロが最初にローマ帝国によって投獄されたころ、紀元64年ごろに書かれたと思われます。その当時はローマ帝国がその権力をもって世界のかなり広い地域を支配しておりましたが、この手紙が書かれた6年後、紀元70年にはイスラエルはローマ帝国によって滅ぼされます。

 

神殿も壊され、ユダヤ人たちは国を失って各地に離散していくことになります。その当時はクンたちは迫害を受けパウロも投獄された中でこの手紙を書いています。パウロは、こうした社会情勢を覚えながら、あるいは予見しながらこのように記したということもできます。

 

しかし、「悪い時代」というのはそれだけではないように思います。パウロは同じエフェソ人への手紙の中で、「この世を支配する者、かの空中に勢力を持つ者、すなわち、不従順な者たちの内に今も働く霊に従い、過ちと罪を犯して歩んでいました。わたしたちも皆、こういう者たちの中にいて、以前は肉の欲望の赴くままに生活し、肉や心の欲するままに行動していたのであり、ほかの人々と同じように、生まれながら神の怒りを受けるべき者でした。」(エフェソ2:2~3)

 

ここには、サタン(悪魔)が、この世を支配するものであると言われています。支配者が悪に染まっていれば、支配されている人々も、そしてこの世界そのものも悪に傾いてしまうことになるでしょう。

 

このような悪の力から守られるためにも、私たちは、主なる神に心を傾け、その御心のうちに生きることが必要なのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、アダムとエバがサタンにそそのかされて罪を犯して以来、サタンがこの世界の支配者として、人々には分からないように、知られないように、様々な形で人々を支配するようになりました。しかし、あなたは罪を犯した私たちをも見捨てることなく、救いの御業を実現し、その御心を果たしてくださっています。私たちがサタンのウソに騙されることなく、あなたの真実により頼んで生きることができますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。