だれに対しても悪に悪を返さず、すべての人の前で善を行うように心がけなさい。できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に暮らしなさい。ローマ12:17~18

だれに対してでも、悪に悪を報いることをせず、すべての人が良いと思うことを図りなさい。あなたがたは、自分に関する限り、すべての人と平和を保ちなさい。(新改訳)

 

「だれに対しても悪に悪を返さず」という生き方をしておれば、人類には争いも戦争も激減することになると思われますが、実際は規模の大小はあれど、いたるところで争いが繰り返されていることを思います。「悪口」を言われたら、その相手に対して「悪口」の思いが湧き上がってくるということはないでしょうか。

 

「やられたらやり返す」という思いがそのひとりひとりのうちに根付いていて、悪い思いや行いが生まれてきます。主イエスは、「「あなたがたも聞いているとおり、昔の人は『殺すな。人を殺した者は裁きを受ける』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。」(マタイ5:21~22)と言われました。

 

兄弟に対して、悪い思いを抱くものは非常に厳しい報いを受けることになると言われています。また、マタイ12:34には、「人の口からは、心にあふれていることが出て来るのである。」と言われています。心そのものが罪に汚れているために悪い思いや言葉が出てくるのです。

 

そんな私たちのために神は、心も含めた私たちの全人を新しく生まれさせてくださることを約束し、実現させてくださるのです。「わたしは彼らに一つの心を与え、彼らの中に新しい霊を授ける。わたしは彼らの肉から石の心を除き、肉の心を与える。」(エゼキエル11:19,36:26)これはエゼキエルによる預言ですが、イエス・キリストが十字架にかかって贖いを成し遂げてくださり、復活し、天にのぼり聖霊をお送りくださり、ともに働いてくださることによって、私たちは新しく生まれるという体験をするのです。

 

「わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れたときに、神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。神は、わたしたちの救い主イエス・キリストを通して、この聖霊をわたしたちに豊かに注いでくださいました。こうしてわたしたちは、キリストの恵みによって義とされ、希望どおり永遠の命を受け継ぐ者とされたのです。」(テトス3:4~7)

 

このように神の恵みによって、確かな希望をもって生きる者とされていることを心より感謝して、愛と平和に生きる者となれますようにと祈り願うものです。

 

祈り

 

天の父なる神様、ダビデも告白しているように、私たちは罪の心をもっていますから、思いと行いにおいてあなたの前に罪を犯してしまう者です。しかし、そのような私たち自身のうちに聖霊を宿らせてくださり、主にあって新しく生きる者としてお導きくださることを感謝いたします。どうか平和を作り出す者として、あなたが私たちを愛してくださったように互いに愛し合う心をお与えください。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。