38:14 タマルはやもめの着物を脱ぎ、ベールをかぶって身なりを変え、ティムナへ行く途中のエナイムの入り口に座った。シェラが成人したのに、自分がその妻にしてもらえない、と分かったからである。

38:15 ユダは彼女を見て、顔を隠しているので娼婦だと思った。

 

38:16 ユダは、路傍にいる彼女に近寄って、「さあ、あなたの所に入らせてくれ」と言った。彼女が自分の嫁だとは気づかなかったからである。「わたしの所にお入りになるのなら、何をくださいますか」と彼女が言うと、

38:18 「どんな保証がいいのか」と言うと、彼女は答えた。「あなたのひもの付いた印章と、持っていらっしゃるその杖です。」ユダはそれを渡し、彼女の所に入った。彼女はこうして、ユダによって身ごもった。

38:19 彼女はそこを立ち去り、ベールを脱いで、再びやもめの着物を着た。

38:24 三か月ほどたって、「あなたの嫁タマルは姦淫をし、しかも、姦淫によって身ごもりました」とユダに告げる者があったので、ユダは言った。「あの女を引きずり出して、焼き殺してしまえ。」

38:25 ところが、引きずり出されようとしたとき、タマルはしゅうとに使いをやって言った。「わたしは、この品々の持ち主によって身ごもったのです。」彼女は続けて言った。「どうか、このひもの付いた印章とこの杖とが、どなたのものか、お調べください。」

 

38章にはヤコブの息子であるユダとその子供たちのことが記されています。マタイによる福音書のアブラハムからイエス・キリストに至る系図を見ると、アブラハム→イサク→ヤコブと続いたのち、→ユダ→ペレツと続いています。ヤコブには12人の息子がいましたが、その内のユダがこの祝福を受け継ぐものとなりました。

 

しかし、ユダは自分の息子であるエルの嫁タマルによってその子ペレツをいただくことになるのです。ユダはここに記されているように被り物をしていたのでタマルを息子の嫁だとは思わないで神殿娼婦だと思って夜を共にし、タマルによって双子をいただくことになったのです。

 

タマルの夫であったエルは子供がないままに亡くなりましたから、タマルは血のつながりのあるものによって自分の子供を残そうとして神殿娼婦のような身なりをして義理の父親であるユダを誘ったのでした。ユダとタマルがしたことは神の前にも罪深いことでしたが、神はこうしたことをも用いてくださって、子孫を絶やすことなく救いの御計画を実行してくださるのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、ヤコブからの祝福を受け継いだのはユダでしたが、ユダの次は彼の息子の嫁との間の不倫のために産まれたペレツへと受け継がれていきました。このような人間の罪がありつつも、神はそれを用いてくださることを感謝いたします。罪人を招くために来てくださったキリストの愛を、私への恵みとして受け止めることが出来ますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。