10:7 その家に泊まって、そこで出される物を食べ、また飲みなさい。働く者が報酬を受けるのは当然だからである。家から家へと渡り歩くな。

10:8 どこかの町に入り、迎え入れられたら、出される物を食べ、

10:9 その町の病人をいやし、また、『神の国はあなたがたに近づいた』と言いなさい。

 

「どこかの町に入り、迎え入れられたら、出される物を食べ」と言われます。この「どこかの町」とは異邦人の町が考えられています。全世界への伝道が念頭におかれていて、異邦人の町、異邦人の家庭にも平和の子が起こされます。

 

その家にとどまるときに、出される物を何でも食べる、ということです。これは、当時のユダヤ人からすれば大きな変化でした。旧約において、きよい動物、きよくない動物が教えられていて、ユダヤ人はきよくない動物は食べなかったからです。

 

初代教会の時代にそれを乗り越えることへと導かれましたが、主イエスはそれを先取りしておられます。ユダヤ人の家であろうと異邦人の家であろうと、出される物を何でも食べてよい。これは、ですから、食べ物のことだけではなく、伝道の対象のことがいわれています。

 

ユダヤ人だから異邦人だからではない。もちろん国籍や民族のことだけでもない。私たちはしばしば自分の思いで選り好みしやすいのです。この人は聞いてくれそうだ、この人を説得するのは難しそうだ。そのような人間の思いで判断し相手を選別してしまうようなことがあるかもしれません。

 

けれども、イエス様が弟子たちに求めておられることは分け隔てしないことです。私たちは、性別や年齢、性格、家柄などから自由にされて、分け隔てなく福音を宣べ伝えるのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、あらゆる人々に分け隔てなく福音を宣べ伝えることを、あなたは願っておられます。その御心のように生きることが出来ますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。