10:4 財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶をするな。

10:5 どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。

10:6 平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。

 

イエス様は、弟子たちを派遣するにあたって、次のように言われました。「財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶をするな。」「途中でだれにも挨拶をするな」。というのは、礼儀としての挨拶ではなく、いわゆる世間話のことです。

 

人と話をするときに話題に困ったら天気の話をしなさい、と言われることがあります。わたしも天気の話をすることがあります。このことを話さなければならないと思いながら、言い出しにくくて天気の話をして、それだけで別れてしまうことがあります。天気の話に限らず、挨拶のような世間話をするだけで別れてしまうならば、福音を宣べ伝えることはできません。自らの無力さを思い知らされる場面の一つです。

 

そのような、小羊のように小さく無力な私たちの姿を、主イエスはよくご存じです。「狼の群れに小羊を送り込むようなものだ」と言われるのです。普通ならば旅のために必要な財布も袋も履き物も持って行きません。それは、福音を宣べ伝えることにおいて、それらは力にならないからです。小さく無力な小羊のまま飛び込めばよい。主イエス・キリストが羊飼いであられるからです。

 

祈り

 

天の父なる神様、小羊のように小さく無力な私たちですが、このような私たちを愛し、そのひとり子をも与えてくださるあなたの恵みと愛を感謝いたします。私たちのまことの羊飼いを覚えて、この方と共に歩み続けることが出来ますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。