43:1 この地方の飢饉はひどくなる一方であった。

43:2 エジプトから持ち帰った穀物を食べ尽くすと、父は息子たちに言った。「もう一度行って、我々の食糧を少し買って来なさい。」

43:3 しかし、ユダは答えた。「あの人は、『弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることは許さぬ』と、厳しく我々に言い渡したのです。

43:4 もし弟を一緒に行かせてくださるなら、我々は下って行って、あなたのために食糧を買って参ります。

43:5 しかし、一緒に行かせてくださらないのなら、行くわけにはいきません。『弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることは許さぬ』と、あの人が我々に言ったのですから。」

 

飢饉はさらに激しくなる中で、ヤコブの家族たちもひもじい思いをしていたと思われます。エジプトには穀物があることは分かっていましたが、ヤコブが、「ベニヤミンを行かせてはならない」と命じたために、父親の意思を重んじて我慢して暮らしていたと思われます。

 

ヤコブは、食料がないことを思って、子供たちにエジプトに行って食料を買ってくるように命じます。しかし、兄たちは先にエジプトの支配者から回し者と言われたこと、銀が袋に入れられていたこと、末の弟を連れて来なければ食料を買うことが出来ないことを思って、ここでは、ユダが兄たちの思いを代弁して、ベニヤミンを連れて行かなければいくことは出来ないと答えるのです。

 

このまま飢饉が続けば、ヤコブたち家族も飢えてしまいますから、選択肢は、ベニヤミンを連れてエジプトに行く以外にはありませんが、父であるヤコブの了解を得る必要がありました。ようやくのことでしたが、ヤコブはベニヤミンを連れていくことを了承し、兄たちは、ベニヤミンを連れてエジプトに向かうことになるのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、あなたは、礼拝を行う際にも、先ず兄弟との仲直りをするように教えてくださいました。私たち自身のうちに、兄弟に対する苦い思いがあるならばそれを解消していくことが出来ますように。

あなたが私たちを赦してくださったように、私たちも赦すことが出来ますように。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。