30:1 ラケルは、ヤコブとの間に子供ができないことが分かると、姉をねたむようになり、ヤコブに向かって、「わたしにもぜひ子供を与えてください。与えてくださらなければ、わたしは死にます」と言った。
30:2 ヤコブは激しく怒って、言った。「わたしが神に代われると言うのか。お前の胎に子供を宿らせないのは神御自身なのだ。」
30:3 ラケルは、「わたしの召し使いのビルハがいます。彼女のところに入ってください。彼女が子供を産み、わたしがその子を膝の上に迎えれば、彼女によってわたしも子供を持つことができます」と言った。
30:4 ラケルはヤコブに召し使いビルハを側女として与えたので、ヤコブは彼女のところに入った。
30:5 やがて、ビルハは身ごもってヤコブとの間に男の子を産んだ。
ヤコブは、レアとラケルという二人の妻を迎えることになりましたが、この二人の妻が、子供を産むということで互いに張り合うようになりました。当時、女性にとって子供を産むこと、家の跡取りを残していくことが大切な働きだと考えられていたのです。
レアが4人の子供を産んだのに対して、ラケルには子供が与えられませんでした。それでラケルは、サラの場合と同じ手段に訴えるようになります。
創世記16章でサラは次のようにアブラハムに進言しています。「サライはアブラムに言った。「主はわたしに子供を授けてくださいません。どうぞ、わたしの女奴隷のところに入ってください。わたしは彼女によって、子供を与えられるかもしれません。」アブラムは、サライの願いを聞き入れた。」(16:2)
それで、ラケルの進言に従ってヤコブは女奴隷ビルハのところに入り、ビルハは、ダンとナフタリの二人の子供を出産するのです。ダンとはさばきの意味があり、ナフタリには、争いという意味があります。
祈り
天の父なる神様、この世界の歴史の中には、実に様々な出来事が起こります。そして歴史の流れに巻き込まれていくこともありますが、あなたはそんな私たちの内に働いて、この世のものではない天にある新しい世界に国籍を持つものとしてくださいます。この世に生まれたこと、このことが将来における永遠の命への生となっていく人生を生きることが出来ますように。
イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。