7:2 そこで、ステファノは言った。「兄弟であり父である皆さん、聞いてください。わたしたちの父アブラハムがメソポタミアにいて、まだハランに住んでいなかったとき、栄光の神が現れ、
7:3 『あなたの土地と親族を離れ、わたしが示す土地に行け』と言われました。
ステファノは、大祭司の「訴えのとおりか」という質問に、「いいえ、わたしはそのようなことは申しておりません」とは答えずに、アブラハムから始まるイスラエルの歴史を語り始めました。ステファノは、ここでアブラハムから始まるイスラエルの歴史を語り、自分が律法も神殿もけなしているものではないことを明らかにしようとしているのです。
そして、このステファノの演説は、自分の立場を擁護する弁明だけではなくて、指導者たちの罪を指摘する説教でもあります。この2つの視点をもって、ステファノの演説を読み解くことが大切です。
ステファノは、イスラエルの歴史をアブラハムから説き起こしました。神様がアブラハムに「あなたの子孫を、夜空の星のようにする」と言われましたように、神はアブラハムからイスラエル民族を起こされたのです。それゆえ、ステファノは、「兄弟であり父である皆さん」と呼びかけるのです。
ステファノも最高法院の議員たちも、同じアブラハムの子孫です。ステファノが、アブラハムからイスラエルの歴史を語り始めたことは大切なことです。それは、モーセ律法以前に、神とイスラエルとの関係は始まっていたということです。
モーセ律法によって、イスラエルの宗教が成立したのではなくて、それよりもはるか以前に、神は御自身をアブラハムに現し、アブラハムは、行く先々で祭壇を築き、神を礼拝していたのです。それも、神がアブラハムに現れたのは、彼がまだカルデア人の土地、メソポタミアの地にいた頃でした。
ステファノを訴える者たちは、エルサレムにこそ、神は御臨在してくださると考えていたのですが、イスラエルの歴史を見るならば、神は、メソポタミアにおいても、ハランにおいても、御自身を現してくださる神なのです。そして、アブラハムと神の交わりを成立せしめたものは、訴える者たちが固執する神殿祭儀ではなくて、ただ神の約束だけでした。
祈り
天の父なる神様、あなたの救いの御業はユダヤ人だけではなく異邦人にも及び、イスラエルの地だけではなく世界中にあなたの恵みの御業が及ぶことを、ステファノの説教を通しておも教えて下さり感謝いたします。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。