兄弟たち、自分を賢い者とうぬぼれないように、次のような秘められた計画をぜひ知ってもらいたい。すなわち、一部のイスラエル人がかたくなになったのは、異邦人全体が救いに達するまでであり、こうして全イスラエルが救われるということです。次のように書いてあるとおりです。「救う方がシオンから来て、/ヤコブから不信心を遠ざける。これこそ、わたしが、彼らの罪を取り除くときに、/彼らと結ぶわたしの契約である。」福音について言えば、イスラエル人は、あなたがたのために神に敵対していますが、神の選びについて言えば、先祖たちのお陰で神に愛されています。ローマ11:25~28

兄弟たち。私はあなたがたに、ぜひこの奥義を知っていていただきたい。それは、あなたがたが自分で自分を賢いと思うことがないようにするためです。その奥義とは、イスラエル人の一部がかたくなになったのは異邦人の完成のなる時までであり、こうして、イスラエルはみな救われる、ということです。こう書かれているとおりです。「救う者がシオンから出て、ヤコブから不敬虔を取り払う。これこそ、彼らに与えたわたしの契約である。それは、わたしが彼らの罪を取り除く時である。」彼らは、福音によれば、あなたがたのゆえに、神に敵対している者ですが、選びによれば、先祖たちのゆえに、愛されている者なのです。(新改訳)

 

「一部のイスラエル人がかたくなになったのは、異邦人全体が救いに達するまでであり、こうして全イスラエルが救われる」と言われています。イスラエルの人々の不信仰によって、福音は異邦人に伝えられるようになりましたが、神はイスラエルを見捨てられたのではなく、異邦人の人々が全体的に救われるようになった暁には、イスラエルにも悔い改めが生まれ、彼らもイエス・キリストを信じて救われるようになると言われています。

 

これは、例えば、申命記30章にも同じことが預言されています。「わたしがあなたの前に置いた祝福と呪い、これらのことがすべてあなたに臨み、あなたが、あなたの神、主によって追いやられたすべての国々で、それを思い起こし、あなたの神、主のもとに立ち帰り、わたしが今日命じるとおり、あなたの子らと共に、心を尽くし、魂を尽くして御声に聞き従うならば、あなたの神、主はあなたの運命を回復し、あなたを憐れみ、あなたの神、主が追い散らされたすべての民の中から再び集めてくださる。たとえ天の果てに追いやられたとしても、あなたの神、主はあなたを集め、そこから連れ戻される。あなたの神、主は、かつてあなたの先祖のものであった土地にあなたを導き入れ、これを得させ、幸いにし、あなたの数を先祖よりも増やされる。あなたの神、主はあなたとあなたの子孫の心に割礼を施し、心を尽くし、魂を尽くして、あなたの神、主を愛して命を得ることができるようにしてくださる。」(申命記30:1~5)

 

現在は、イスラエルの不信仰と世界への離散の中におかれている状態といえますが、彼らは再び集められて約束の地に生きるようになることが預言されています。

 

このようにしてユダヤ人も異邦人も一つの教会となっていくのです。神が約束しておられる「約束の地」とはこの地上の国ではありません。それは象徴的に現在のパレスチナの地が約束の地と言われていましたが、実際に神が約束しておられる「約束の地」とは、アブラハムをはじめ、信仰によって生きた人々が「天の故郷」として待ち望みつつ歩んだところです。

 

ヘブライ人への手紙では次のように言われています。「この人たちは皆、信仰を抱いて死にました。約束されたものを手に入れませんでしたが、はるかにそれを見て喜びの声をあげ、自分たちが地上ではよそ者であり、仮住まいの者であることを公に言い表したのです。このように言う人たちは、自分が故郷を探し求めていることを明らかに表しているのです。もし出て来た土地のことを思っていたのなら、戻るのに良い機会もあったかもしれません。ところが実際は、彼らは更にまさった故郷、すなわち天の故郷を熱望していたのです。だから、神は彼らの神と呼ばれることを恥となさいません。神は、彼らのために都を準備されていたからです。」(ヘブライ11:13~16)

 

祈り

 

天の父なる神様、約束の地を思い描きながら、信仰と希望を持って生きるようにとあなたは教えてくださいました。この地上においては約束されたものを手に入れることは出来ませんが、信仰はまだ得ていないものを確信し、あなたの約束を信じて生きることですから、あなたへの確かな信頼を持って日々を生きることができますようにお導きください。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。