イエスはお答えになった。「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』/と書いてある。マタイによる福音書4:4
イエスは答えて言われた。「『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる。』と書いてある。」(新改訳)

この言葉が語られたのは、主イエスが荒野で断食をして祈られた後、悪魔が誘惑をして、「あなたは神の子なら、この石をパンに変えたらどうだ。」と言った言葉に対してお答えになったのが今日の聖句です。

 

私たちにはこの悪魔の言葉は不可能なことですから誘惑にはなりませんが、この世界を創造なさった主イエスには、石をパンに変えることはたやすいことでした。悪魔は、これから救い主としての働きをしようとなさる主イエスに、手軽に人々の関心を引き、苦しむことも回避して、(十字架への道を避けて)インスタントに手軽に、安楽にその働きをしたらどうだと誘惑しているのです。

 

当時のユダヤの社会において、食事の主食はパンでしたから、主イエスはここで体を養う食事に言及しておられます。日々の食事が生きるために不可欠であることは誰もが認めることですが、人が生きるためには、食事だけではなく、神の言葉、言い換えれば神の意志、あるいは神の御手によって私たちは日々生かされているという現実をここで述べておられるのです。

 

主イエスは、父なる神の意志に従って、人としてこの世に来られました。それは、罪の中にある人々を救い出すためでしたが、そのためには、罪のない神の御子が、人として生まれ、父なる神の御心を行って、仕えるものとして歩み、十字架の苦しみを受けて死ぬこと、これ以外の道はないことを知りつつ、十字架に向けて歩まれたのです。

 

祈り

 

天の父なる神様、日ごとの食物のみならず、私たちが生きるために必要なあらゆるものを今日も与えてくださる恵みを感謝いたします。私たちもあなたの御心に従って生きることが出来ますように、御霊によってお導きください。

イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。