神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。ローマ8:28
神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。(新改訳)
パウロはこれまで、罪ある者を招き救いに導きいれてくださるクリスチャンの祝福について記してきました。それはクリスチャンには苦難がないとか、病気にならないというようなことではありません。むしろ、試練や迫害があることも記していました。
パウロ自身、数々の苦難に遭遇してきましたが、彼の心のうちには主にある喜びがあり希望があったのです。「今の時のいろいろの苦しみは、将来私たちに啓示されようとしている栄光に比べれば、取るに足りないものと私は考えます」と話したあとで、望みにおける救いについて記しています。
イエス・キリストもその弟子たちも迫害されたように、クリスチャンたちは先ずユダヤ人から迫害を受けるようになり、やがて後にはローマ帝国から激しい迫害を受けるようになっていったのです。ローマの大火災はクリスチャンたちの仕業にされましたが、クリスチャンはユダヤ人とは区別された宗教的集団として認識されるようになり、もはやローマの法がユダヤ人に与えていた保護の下から除外されるようになりました。
神はこのようにやがて大きな迫害を受けるようになる教会に対して、神により頼み希望を持って試練を乗り越えていくようにと告げておられるのです。そして神は試練の中にある教会を、クリスチャンたちを守り、導き、支えてくださったのです。教会の歴史を見ると、激しい迫害にもかかわらず、教会はローマ帝国の各地に増え広がっていったことが分かります。
神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。なぜ、「私たちは知っている」という言い方ができるのかというと、神の主権と神の救いの目的がこの箇所の土台となっているからです。聖書は、神が約束されたことは必ず実現することを物語っているのです。
全知全能なる神は、この世に起こり来るすべてのことを支配しておられます。そして、ご自分が結ばれた恵みの契約を必ず果たしてくださるお方だからです。御自分の救いの目的を絶対に最終的に果たしてくださる。そのことを知っているので、「万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っている」と言うのです。
祈り
天の父なる神様、この世の多くの宗教や思想は人々にこの世的なご利益を与えようとするものであることが分かります。しかし、今日のみ言葉には、神は死の信仰を持って生きる人たちにはすべてが益となるように働いてくださると言われています。使徒パウロも、「今の時のいろいろの苦しみは、将来私たちに啓示されようとしている栄光に比べれば、取るに足りないものと私は考えます」と述べています。イエス様は、「あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」(ヨハネ16:33)と言われました。
私たちは、この世にあっては苦難を経験することがありますが、希望を持って、御霊に導かれて、主にあって歩むことが出来ますようにお導きください。
イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。