42:36 父ヤコブは息子たちに言った。「お前たちは、わたしから次々と子供を奪ってしまった。ヨセフを失い、シメオンも失った。その上ベニヤミンまでも取り上げるのか。みんなわたしを苦しめることばかりだ。」
42:37 ルベンは父に言った。「もしも、お父さんのところにベニヤミンを連れ帰らないようなことがあれば、わたしの二人の息子を殺してもかまいません。どうか、彼をわたしに任せてください。わたしが、必ずお父さんのところに連れ帰りますから。」
42:38 しかし、ヤコブは言った。「いや、この子だけは、お前たちと一緒に行かせるわけにはいかぬ。この子の兄は死んでしまい、残っているのは、この子だけではないか。お前たちの旅の途中で、何か不幸なことがこの子の身に起こりでもしたら、お前たちは、この白髪の父を、悲嘆のうちに陰府に下らせることになるのだ。」
なお、飢饉は続いていましたが、父ヤコブは、兄たちをベニヤミンと共に行かせようとはしませんでした。どれほど食料がなくなったとしても、ベニヤミンを危険にさらしたくないとヤコブは考えました。
ヤコブにとってベニヤミンは命そのものでした。「お前たちの旅の途中で、何か不幸なことがこの子の身に起こりでもしたら、お前たちは、この白髪の父を、悲嘆のうちに陰府に下らせることになるのだ。」
こうしたヤコブの言葉を読むとき、かつてのヨセフに対するように、ヤコブは、末の子であるベニヤミンに対してかなりえこひいきした扱いをしていたように思われます。しかし、兄たちは、そのことへの不平不満を語ることは出来ませんでした。自分たちがかつてヨセフとヤコブに対してしたことを彼らはとても悔いていたようです。
祈り
天の父なる神様、ヤコブは、神とともに歩む人生を送りましたが、彼は自分の息子たちを偏愛したために、家族の中にも不和や軋轢が生まれることもありました。兄たちはヨセフをエジプトに売り飛ばしてしまいましたが、神はヨセフを守り祝福し、ヨセフをエジプトの支配者として立てるとともに、ヤコブの兄たちとの出会いをもうけて、自分の罪を認め、和解への道を拓いてくださいました。私たちも正直に過ちを認めつつ、あなたの御心に従うことが出来ますように。
イエス・キリストの御名前によって祈ります。アーメン。
